「やさしい日本語」で外国人患者さまや医療通訳の皆さま、病院の言葉が難しいと感じている方々と繋がっていきたいと考えている元看護師です。これから勉強するので、ぜひ皆様ご指導をお願いします。

by みっこ

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今回は、スピリチュアルな話です。
前回、なんとか修士論文を書き上げたところまで綴りました。

学位授与式が終わり、学位記を父の遺影の前に供えました。
修士論文もファイルに綴じて、一緒に供え、
「お父さん、結構頑張って書きました」と報告して手を合わせました。

すると「ちょっとお父さんの文章も読んでみろ」と言われたような
気がしました。

工学論文など読んでもよく解らないので、あまり手にしたことが
ありませんでした。

論文集の他に父が書いたエッセーのようなものもあったので、
それを読むことにしました。

NGK 環境装置技報 No.12 巻頭言
もう、父が著作権を主張することはないでしょう。引用します。
下線は私が引きました。

「国際化に思う」

 外国の著名な学者や文化人などを招聘することが、
国際化であった時代には、異文化に触れる楽しさがあり、
少々の行き違いを良しとする余裕もあったが、
企業での就労者の多国籍化、大学での留学生の増加につれて、
異なるカルチャーがあらゆる場面に侵入してくると、
そんな悠長なことを言ってはいられなくなってきた。
今まで大した説明もせずにうまくやってこられたことが、
説明してもうまくいかないとなれば、以心伝心の国としては
正に一大事である。


 一方、自動車や、電子製品など部品点数の多い製品では、
高付加価値の部分を国産で、そうでない部分を輸入部品で、
というように製品にも多国籍化が進んでいる。
この場合の問題は、完成品の品質をいかに保証するか、
という点にあり、構成部品一点一点の品質管理と
その保証がどこまでされているかが、国際的関心事に
なってきた。

 工業生産量の増加に伴って、使用エネルギー量が
急激に増加し、環境汚染が深刻化してきたことは
周知のところである。今、環境汚染物質も国境を越え、
地球規模の国際問題にまでなっている。

 このような中、ISO9000,ISO14000など、
相次いで企業の管理システムの国際規格が発行され、
JIS規格化されるに及んで、管理システムの確立が、
現実のものとして身近に迫って来た。
これら管理システム規格制定の背景には、
国際的な機関や国がイニシアティブをとるのではなく、
各企業や組織が自発的努力によって
このシステムを構築し、ISO9000の場合には製品品質の
管理と保証を、ISO14000の場合には環境負荷の低減を、
地域単位、国単位として機能させ、それが総合されて
国際的に品質管理およびその保証、あるいは
環境保全活動を達成させようとする、ボランタリー活動の
集積に期待する精神があることを忘れてはならない。
すなわち、企業の個としての自発的な努力により、
人類全体の活動をより合理的な方向に誘導する道具として、
発行・運用されているのである。

 我が国は現在、国際化の波の中にあり、
いかに国際化を達成させるかについて、国を挙げて議論して
いるように感じられる。
代表的国際語としての英語教育を充実すべきとの議論がある
一方で、高校入試から英語をはずすとか、逆に部長や課長に
なる資格として、TOEICの要求得点を定めた企業もある。

 筆者も、国際化議論にしばしばかりだされるが、
「日本とはどのような国かを、文化・歴史・技術・環境など
いろいろな切り口から、自分の知識・意見として、
日本語でわかりやすく説明できることが、国際化の第一歩であり、
それを外国語で言えればなお良しとする。

さらに言えば、相手の言わんとすることや考えを、
先入観を持つことなく真摯に聞き、理解すべくつとめること。」

と言い続けている。
いくら外国語ができても、自分自身の意見がなければ、
翻訳機にすぎない。
「仕事以外の知識は浅薄で、国民としての自覚に乏しい人達」
との印象を与えかねない。
その上、相手の意見を素直に聞けなければ、偏見の持ち主との
レッテルを貼られるだろう。
個人に国民全体としての価値の出発点がある。
(後略)

父が亡くなったのは1997年9月26日。
父はISO14000の国際エキスパートでした。
父が他界した直後の12月、地球温暖化防止京都会議がありました。
この文章はどうやらその年の初夏に書いたもののようでした。
父の遺影を見つめました。

「やっと解ったの?」と父が笑っているように思いました。

父がこの文章を書いてから、まもなく20年。
時代が目まぐるしく変わっているというのに、
なんと恐ろしいほどに今に響く言葉を遺していったことか。
参りました。

さぁ、次回からもりもりと「やさしい日本語」を学びましょう。
熱くなった私の心の内を、6回に渡って綴りました。

一緒に熱くなってくださった方が見えたら、うれしいです。

では、また次回。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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by yasashiinurse | 2017-05-24 23:03 | 「やさしい日本語」を活かす確信へ | Comments(0)